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開発する時間をできるだけ稼ぎたいと、合同テスト1回目をスキップし、新車発表のタイミングを遅らせたレッドブルだったが、発表された2010年型のRB6は、絵に描いたような正常進化版である。エイドリアン・ニューウェイは拍子抜けする人々を見て、あざ笑っていることだろう。
ニューウェイによると、08年から09年にかけてのレギュレーション変更に比べて09年から10年のそれははるかに小規模なので、進化で十分なのだそう。もちろん、前作が成功作だからこその論理である。変更は小規模とはいえマシン設計に影響を及ぼす内容は存在し、約70kg分容量が増える燃料タンクと、細くなったフロントタイヤを引き合いに出している。
これらは主に前後の重量配分に影響を及ぼす要素で、十分に速かったRB5の空力コンセプトを一新させるほどではない。その証拠に、トレンドセッターとなったVノーズと、なだらかな傾斜を持つサイドポッド、プルロッド式のリヤ・サスペンションといった、RB5を特徴付けていた要素をすべて引き継いでいる。ポッドパネルにあしらわれたカーナンバーを確認しなければ、区別するのに苦労するほど、09年のRB5と10年のRB6はそっくりだ。
それでも、ディテールに目を移せば、新しいアイデアの数々が見て取れる。305kmを走りきるための燃料を積んだレース序盤は、ブレーキに大きな負担を強いる。そのため、ブレーキダクトは細心の注意を払って設計した。RB5ではモノコック上面の突起とノーズに連続性を持たせていたが、RB6は唐突に盛り上がっている、といった具合。
RB5はダブルデッキ・ディフューザーを前提にしない設計だったが、RB6はダブルデッキを考慮した設計に改まっている。RB5が取り入れたデッキハイトの低いリヤセクションは本来、ディフューザーを多重構造にするには不利だが、ニューウェイはこの部分に手を入れることはせず、変更の範囲を最小限に抑えて設計し直した様子。
成功しただけに、大幅に改良する必要はない。これぞキープ・コンセプトなRB6を見ていると、ニューウェイの自信のほどが伝わってくる。
| ■シャシー | |
| 型式 | RB6 |
|---|---|
| モノコック | コンポジット・モノコック構造 |
| トランスミッション | 縦型7速ギヤ・ボックス/油圧式パワーシフト&クラッチ・オペレーション |
| クラッチ | APレーシング製 |
| ホイール | OZレーシング製 |
| ホイール径(前) | 12インチx13インチ |
| ホイール径(後) | 13.7インチx13インチ |
| タイヤ | ブリヂストン |
| サスペンション | アルミ合金製アップライト/カーボン製ダブル・ウィッシュボーン/スプリング&アンチロールバー/マルチマチック製ダンパー |
| ブレーキ | ブレーキ・キャリパー/ブレンボ製ディスク&パッド(カーボン) |
| 燃料 | Total製 |
| ■エンジン | |
| 型式 | ルノー RS27-2010 |
|---|---|
| 気筒数 | 8 |
| 排気量 | 2400 cc |
| 最大回転数 | 18,000 rpm |
| バルブ数 | 32 |
| バンク角 | 90° |
| 構造 | アルミニウム製シリンダー・ブロック内蔵 |
| エンジン制御 | FIA標準コントロール・ユニット TAG310B |
| オイル | Total製 |
| 重量 | 95 kg |
【STINGER / Text by Kota Sera(世良耕太)】
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