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2009年3月30日

ハミルトンは"譲った"のか?

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全員狩猟民族。

セーフティカー中に、ハミルトンを抜いてしまったカドで、トヨタのトゥルーリは、ピットから追い上げて手にした殊勲の表彰台を失った。

予選の段階でリヤ・ウィングに言わば"いちゃもん"をつけられてタイムを抹消されたこと知ったトゥルーリは、「冬の間にTMGのみんなが本当に頑張ってくれただけに、本当に悔しい」と涙を流したという。悪いことをしていないのに"感覚"で咎められた。だが、政治的な力には勝てない。トゥルーリが流したのは無常の涙だった。

去年、ホンダやトロ・ロッソが、映像で明確に分かるフレキシブル・ウィングを使っていたのに対して、トヨタは、「フレキシブル・ウィングを絶対に使わない」、と自主規制していた。それを知っているトゥルーリの涙。それを思い起こした山科代表は、表彰台を見上げて涙を流した。

その涙を一気に吹き飛ばしてしまったのが、セーフティカー出動中の追い越し「トヨタ御難続き、表彰台取り消し!」だった。

ところで、コースを外れたトゥルーリがコースに戻ったそのタイミングで、前を行くハミルトンが「スロー・ダウンして譲ってくれたように見えた」とトゥルーリは言ったが、どうしてそう見えたのか。もしかすると、ハミルトンは、先の事態を見越して、意識的にスピードを落としたのではないか。

狩猟民族が司り、そして戦うF1GPは、感動の涙を見向きもしない、冷徹な掟のなかで繰り広げられているのである。

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だからF1は"殺人のない戦争"と呼ばれる。

【STINGER / Yamaguchi Masami





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