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2009年6月 9日
GPホットライン 09-07 トルコ(パート-1)

トルコGP---その1--F1は現代のシルクロードだ!!
ポールポジションからスタートしたフェッテル+レッドブルに期待がかかったが、終わってみたら表彰台最上段にはブロウンのバトンが登っていた。クルマ好きのエディター・羽端恭一さんとスティンガー編集長が、トルコGPの裏舞台をズバリ診断する。
◆ブロウン速し! 果敢なりレッドブル!
羽端恭一(以下、羽端) 終わってみれば、やっぱりブロウンGP。ということで、今回は話題にすることがない(笑)。
山口正己(以下[STG]) 確かに(笑)。でも、内容的にはなかなか面白いレースでしたよ。レース前に、ブリヂストンの浜島(裕英モータースポーツタイヤ開発総括責任者)さんが、ブロウンも楽勝とは思っていない、といってたでしょ。
羽端 ええ、それで"期待"しちゃったんだけどね!(笑)
[STG] ......で、バリチェロがスタートでトラぶったこともあって、中盤まで、どうなるかわからない展開があった。
羽端 フェッテルも"速さ"を見せたしね。でも、やっぱりバトンは安泰だった。
[STG] それは結果的に見ればその通り。でも、ゴール後に、バトンの無線に、"信じられない!"というメッセージが入ってます。

終わるまで安心はできない。
羽端 「アンビリバボー!」 そうか、少しはドキドキしてたんだな、やつらも?(笑)。
[STG] そうだと思います。レースはいつでも終わってみないわからないので。当事者は、見物している我々と違って安泰なレースはない、ってことで。
羽端 TV中継では、今年の"新三強"なんていわれる場合もあるようですが、でも3チームは、そんなに拮抗しているようには思えないな?
[STG] フェッテル+レッドブルがポールを獲ったけれど、あ、取ったより「獲った」ですね。
羽端 うん、あれは「獲りに」行ったんでしょうね。それで、3ストップにして、ブロウンとは違うルートで(表彰台の)"真ん中"に行こうとした。あれは、とても果敢でよかったです!
[STG] レッドブルがブロウンGPの上に行こうとすると、燃料搭載量をギリギリにしたりとか、そういう作戦を採らざるを得ない。今回、レッドブルのリリースで、2位のウェーバーが、「バトン+ブロウンは別の惑星にいる」といってるくらいですから。
羽端 おお、そうですか! だからこその、レッドブルの"アナザー・ストラテジー"ってことですね。なるほど~!
[STG] で、レース中盤までは"もしかすると"と思わせてもらったけれど、あっさりとブロウンGPのバトンに裏切られた(笑)。
羽端 そうですね、ちょっと圧倒的な部分があるような? それが何なのかは、よくわからないんだけど?(笑)
[STG] 実は、これが"自動車"の基本のことだったりする。クルマはエンジンで走っているのんじゃない、というか。
羽端 それと、バトンの、何というか「パイロット」としての"爆発力"?
[STG] それもあるし、ブロウンは、シャシーがちゃんとしている。トヨタが、空力だけじゃなくて、そこが基本と気づいてくれるといいんですが。

ボスボラス海峡。左がヨーロッバ、右がアジア。イスタンブール・パークはアジア側にある。
◆ヨーロッパとアジアをつなぐトルコGP
羽端 バトンの活躍を見ていると、不遇だった天才が、ようやくその力を発揮する場を得たという感は、たしかにあります。
[STG] 結果としてね。で、今回は、そんなことより、いや、レース内容を"そんなこと"と括っちゃうのは何だけど(笑)、トルコのポジションという話をしたいな、と。
羽端 というと?
[STG] イスタンブール・パークはアジア大陸にあるじゃないですか。
羽端 ああ、あのサーキットは、イスタンブールのなかでも、ボスホラス海峡を渡ったこっち側にあるみたいですね。
[STG] そう、日本からみた"こっち側"なわけです(笑)。それでね、今回、深く思ったことがあるんです。
羽端 アジアとF1ってこと?
[STG] ......です。モーターホームとトランスポーターがやってきて、F1村が唯一できるヨーロッパ以外のレースなんですね、トルコGPは。
羽端 まあトルコっていうのは、ヨーロッパであって、アジアであって......という国で、地形でもヨーロッパとは"地続き"なんで、なるほど、あのトランスポーターも来られるんですね。
[STG] あのF1村の景色は、鈴鹿や富士では絶対に見られない。それを考えたら、ちょっと感慨深かった。......というのは、ほら! ゴルフで、すっごい山の中のコースに行った時に、"ゴルフをやってなきゃ、絶対ここに来てないな"と思うことがあるじゃないですか!?
羽端 ......フフフ、ありますね!(笑)
[STG] それと同じで、私にとってトルコGPが行なわれるイスタンブールは、庄野真代しか知らなかった。つまり、F1がなけば絶対に来ることがなかった場所だと思うわけです。

思わず庄野真代を口ずさむ。
羽端 「飛んでイスタンブール」ね! あの歌は、大きなバックパックを背中にしょった旅行者が、流れ流れてトルコの安宿にたどり着くと、誰かが必ず歌いはじめるという伝説があった(笑)。あ、ややムカシ話で、そして日本人旅行者限定だけどね、もちろん。
[STG] あ、オレも歌った(笑)。で、何でそんなことを......?
羽端 いや、一度、個人的に旅行したことがあるので、トルコは。バックパックはしょってなかったけど(笑)、そのときに、少し情報を集めた。
[STG] で、思い出したのは、シルクロードの話。
羽端 おお、そこへ来ましたか。スルドイ、ですね!(笑)
[STG] ジャンカルロ・ミナルディ、今のトロ・ロッソの前身のチームのオーナーの話なんだけれど、彼の家に麻雀の雀卓があったという話があるんです。
羽端 なるほどね、ジャンカルロはイタリア人でしょ。シルクロードの西の"終点"は、ローマというかイタリアだったから、イタリアのオカネモチであれば、そういうことは......。
[STG] ミナルディは、ファエンツァに本拠地があるんだけれど、そこの名産に陶磁器があって、それが、実は、瀬戸からつながるいわゆる瀬戸物の親戚だったりするわけです。
羽端 その"瀬戸物"というか陶磁器のルーツは中国で、そこから東に向けて、こっちは海を渡らないといけないけど、情報や文化が伝播して、日本での陶磁器も成立した......ようですね。
[STG] で、思ったのが、F1がなければここにいない自分なわけですよ。シルクロードは、"絹つながり"で交流ができ、だから人と文化が行き交った。F1は、現代のシルクロードじゃないかな、と。
羽端 シルクロードを「東西交流」のシンボルというように考えれば、それは、その通りだと思います。その東西交流は陸路だけじゃなくて、海上(船舶)ルートもあったけどね。
[STG] ......でしょ! 今回は、特にそれを感じました。ヨーロッパ大陸以外で唯一、"F1村"ができるのがトルコGP、ってことで。
羽端 うーん、さすがにあれ(トランスポーターなど)は、飛行機には載らないか?!(笑)
[STG] こうして、歴史は"文化の交流"を作ってきたのか、と。
羽端 トルコっていうのは、これはハンガリーも同じなんだけど、アジア中央の大草原にいた遊牧民族が西に進出してつくった国、らしいので......。だから、地理的な意味だけでなく、もともとアジアとはつながっているんですね。
[STG] ......ということで、F1は現代のシルクロードである、説――。
羽端 いいんじゃないですか! ......で、さっきの陶磁器ですけどね。観光でもする時間があったら、トプカピ宮殿、これは正確には「トプカプ」というらしいですが、ここに行くとおもしろいですよ。
オスマン・トルコ帝国時代の栄耀栄華を示すような"宝もの"が、陶磁器も含めてですが、もう"ひと山いくら"状態で(笑)無雑作に並べてある。
どうやってつくったのかというような大きな陶磁器もいっぱいありますが、もっとすごいのは、世界最大のエメラルド......でいいのかな、要するにグリーン色の宝石があってね。これがあんまりデカ過ぎて、ほとんど「岩」というような大きさ! もはや、宝石には見えない(笑)という、あれにはシビレました。

ジャンか待つ(!?)トプカプ宮殿。
[STG] じつは、トプカプ宮殿にいくと、ジャンていう猛烈に日本語が巧い背の高いトルコ人がいて、コロッとだまされて絨毯買っちゃうんです。で、全然だまされた気がしない・・・という話はキリがないので、帰りの飛行機の中で書いて、"本日の山口正己"で紹介することにします(笑)。
【GPホットライン イスタンブール ~ 西湘】
ニュースの深層 2009年6月 9日 15:40
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