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2017年6月19日

トヨタの2017ル・マン24時間を振り返る

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鳴り物入りの第85回ル・マン24時間レースは、いつにも増して連発するドラマの中で、波瀾と共に進んでいった。

今年もまた、参加した60台のすべてに、そして関係した全員にそれぞれのドラマがあったが、予選で3分14秒台という驚異的な史上駿足を記録したトヨタTS050 HYBRIDも、そのドラマの中でひときわ大きな配役として、2017年のレースを忘れられないものにした。


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◆シーン1:6月15日
予選で小林可夢偉がル・マン史上最速となる3分14秒台のスーパーラップを決めてポールポジションを獲得した。

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◆シーン2:6月17日14時半
スターティング・グリッドに豊田章男社長がレーシングスーツで登場。ドライバー達に、「去年はここにいられなかったけれど、今年初めてやってきました。楽しんでください」と伝える。

◆シーン3:2017年6月17日午後3時
フォーメーションラップの隊列が整い、スタートした。まずは7 トヨタTS050 HYBRIDがダッシュを決めてレースが始まった。2コーナーシケインで、2番手につけていた8 トヨタTS050 HYBRIDが若干テールスライドして緊迫感を上昇させた。

☆☆
7トヨタ-1ポルシェ-8トヨタ-2ポルシェ-9トヨタが1周目のオーダー。

ル・マン.JPG
※写真は15年ほど前のもの

☆☆
3台体制のトヨタの作戦は、7 トヨタTS050 HYBRIDにリードさせ、8 トヨタTS050 HYBRIDがフォロー、そして若干ペースを落として9 トヨタTS050 HYBRIDが保険との考え方か。すでに1周目に、ポルシェ2台との合計5台の隊列の中で、9 トヨタTS050 HYBRIDはやや離れた位置につけていた。

☆☆
トヨタの3台には、7に小林可夢偉、8に中嶋一貴、9に国本雄資が乗り、日本の期待が振り分けられる組み合わせになっていた。

☆☆LMP2とGT proもいつにない混戦模様。最後まで続いたLMP2の激しいバトルが、最後に重要な配役としてレースの主導権を握ることになろうとは、誰も考えなかった。

◆シーン3:15時09分
コンウェイの7 トヨタTS050 HYBRIDが逃げ、ジャニのポルシェ919 HYBRIDをブエミのトヨタTS050 HYBRIDがぴったりマークしている。

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◆シーン4:17時21分
7 トヨタTS050 HYBRIDに小林可夢偉が乗り込む。小林可夢偉は最初のスティントを、予選のスーパーラップを思い出させる駿足で駆け抜け、「総て順調」とコメント。

◆シーン5:18時31分
4位の2 ポルシェ919Hybridがトラブルでピットガレージへ。1時間の修復作業を行い、彼らのレースは終わったと誰もが思った。

◆シーン6:19時45分
クルマを降りた小林可夢偉、「順調です。このまま最後まで、しっかり休んで明日の3時まで行きたいと思います」。

◆シーン7:19時48分
4位の9 トヨタTS050 HYBRIDが国本雄資のドライブ中に右ドアが開いてしまうトラブル。ピットインを強いられる。

◆シーン8:21時31分
8 トヨタTS050 HYBRID。中嶋一貴にドライバー交替。1 ポルシェ919Hybridを軽々とオーバーテイクして2番手へ。トヨタTS050 HYBRIDの1-2フォーメーションが完成した。

◆シーン9:22時24分
8ブエミからピットに報告。「メカニカルノイズが大きくなっている」。ピットからは、「テレメータでは何も問題ない。そのまま継続せよ」。ブエミ答えず。

◆シーン10:22時47分
8 トヨタTS050 HYBRIDが右フロントから白煙を上げてピットイン。ガレージに入れられ、2時間の修復作業を強いられる。

☆☆
夜間にはクラッシュが相次ぎ、セフティカー出動が重なる。

※ル・マンでは、コースの距離が長いル・マンでは、3台のセフティカーが3つの隊列を作り、これがアンフェァーになるとして、できる限りセフティカーを入れない方針。そのために、ダブルイエローの区間を、『イエローゾーン』として定める特殊な工夫がなされている。それでもセフティカーが必要ということから、レースが荒れた展開だったことが分かる。

◆シーン11:18日00時45分
小林可夢偉がステアリングを握る7 トヨタTS050 HYBRIDがスローダウン。クラッチトラブルを抱えた可夢偉は、ほぼ1周を、モーターだけに頼って時速60kmの低速でノロノロとピットを目指した。ユノディエールの長いストレートを亀のように進む7 トヨタTS050 HYBRIDを、1 ポルシェ919Hybridがあっと言う間に追い越していく。エネルギーが降下たトヨタTS050 HYBRIDは、さらにスピードを下げ、20km。気の遠くなるような低速走行でピットを目指していた可夢偉だったが、やがてエネルギーを使い果たしてコースサイドに止まった。ピットに戻れば、という願いは天に届かなかった。

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◆シーン12:00時50分
可夢偉のリタイアの沈痛なムードのトヨタのピットにさらなる衝撃が走った。9 トヨタTS050 HYBRIDがLMPと絡んでスピン。グラベルには捕まらなかったが、左後輪がパンクした状態のマシンから火の手が上がり、リタイアを余儀なくされた。

左後輪がホイールだけになった9 トヨタTS050 HYBRIDは、一端コース脇に止まったが、ピットとの交信で再スタート。リヤも駆動させて動き始めたが、ピットにたどり着くことができなかった。

◆シーン13:01時
8 トヨタTS050 HYBRIDが修復を終えてレースに戻る。この後、トラブルなくゴールまで3分22秒前後のハイスピードの追い上げ劇を展開する。

◆シーン14:11時10分
トップを快走していたアンドレ・ロッテラーの1ポルシェ919Hybridがスローダウン。可夢偉と同じようにほぼ1周をトロトロとピットを目指したが、こちらもピットに戻れず、リタイアを喫した。

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◆シーン15:13時53分
2 ポルシェ919Hybridが、トップの38 Oreca 07 Gibsonをパスしてリーダーに。

◆シーン16:15時00
2 ポルシェ919Hybridがトップでチェッカーを受け、8 トヨタTS050 HYBRIDは、最後まで集中力を途切らせることなく駿足を持続して9番手まで挽回。クラス2位でゴールした。
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◆シーン17:表彰台
章男社長はクラス2位の表彰台にドライバーたちと登壇し、「来年は最後まで走らせてあげる」とコメントした。




STINGER]山口正己
(参考:J-SPORTS3)
photo by GAZOO RACING
PORSCH

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