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2010年3月13日

浜島裕英 金曜日会見全録 バーレーンGP

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金曜日 フリー走行を終えて

◆タイヤは、スーパーソフトとミディアムの二種
浜島裕英 ブリヂストンMS・MCタイヤ開発本部長(以下、浜島) ここは、スーパーソフトとミディアムを持って来ました。
そして、今年は(四種のタイヤの)「ポジション」を去年とは変えていまして、去年は、スーパーソフト、ソフト、ミディアム、ハードという四つのタイヤ(の性能、特性)が割りと大きく離れていたんですけど、今年は(その性能差を)詰めて(差を少なくして)、かつ「ワーキング・レンジ」を下に(低温方向に)下げているというのが、今年(2010年)の特徴になっています。したがって、ウォームアップなんかで問題があるといっている人(ドライバー)は少ないですね。

今年の場合は、スーパーソフトとミディアム、どっちもそこそこ(いいタイムで)走っていて、(二種のタイヤの)タイム差も、いまのところ、大きな差はないですね。

ただ、ザクッと見ると、(クルマが)軽いときにはこっち(スーパーソフト)の方が速くて、アベレージ・ラップは、スーパーソフトもミディアムもあまり変わらないというのが、いまの状況です。だから、やっぱり(予選で前の)グリッド取りに行くときは、スーパーソフトを使ってしまうんじゃないかなという予想ですね。

でも、クルマによって、デグラデーション、つまりタイヤの"タレ"の大きい人がいるかもしれないんで、まあそのへんがむずかしいところかと思います。
(注:今年は、予選でタイムを出したタイヤで、決勝レースをスタートしなければならない)

・・・で、フリー走行の「1」のときは、けっこう(路面が)汚くて──とくに(コースが新たに)拡張された"シッポ"みたいなとこですね、ここは非常に汚くて、パンクした人もいました。

それから、先々週に「GP2」(のレースを)やったときよりもさらに、(路面に)砂がけっこう載っていて、タイヤが"白く"なっていましたけど、フリー走行の「2」の頃になって、ようやく(路面が)もとに戻ってきたかなという感じです。

◆路面がよくなれば、タイヤによるタイム差は少なくなる

浜島 ですから、スーパーソフトでもミディアムでも、そんなに「ささくれて」いる状態ではありませんので、風があまり吹かなければ、明日(フリー走行3)もう一回走って、路面がもっとよくなって、(二種のタイヤで)「何だ、デグラデーション、あまり差がないじゃないか」と(チームから)いわれる可能性は高いです。

今日でさえ、メルセデス・グランプリから、「エンジンのマイレージ、損した!」(エンジンを消耗させて、わざわざタイヤ比較のテストをする意味がなかった)といわれたくらいで(笑)、明日になれば、何も(状況に変化が)なければ、さらに(二種のタイヤの)差が減るんじゃないかなと思ってます。

ただ、"一撃"(のタイム)に関しては、先ほども言った通りに、スーパーソフトの方がたぶんいい(タイムが出る)んじゃないかなと思います。

----路面がよくなってくると、タイヤによる差は大きくなってきます?
浜島 いえ、小さくなると思います。

----メルセデスがそういった"文句"を言っていたというのは、最後の二人の走行についてですか?

浜島 そうですね。(二種のタイヤでは)多数派としては、こっち(スーパーソフト)が"一撃"は速いんだけども、そうでない人もひとり、いました。ミディアムの方が(速い)、という人ね。

◆新レギュレーションによる、初めてのレース
浜島 ですから、明日の「FP」(フリー走行)の「3」で、各チームが──こういうレギュレーションでレースするというのは今回が初めてなんで、みんな(各チーム)がどうやって(タイヤを)決めてくのかなというのは注目されるところかと思います。

今日(金曜日)、多くのチームがやったのは、最初に(クルマが)軽い状態で、ミディアムとソフト、新品→新品って行くか、スーパーソフト→ミディアムって行くか。そのあと、ガソリンを足して、100数十キロプラスしてロングラン(のテスト)をするというのが普通だったんですけど。

でもチームによっては、もと(最初)から(クルマが)重い状態で、スーパーソフト、そしてその軽いの(軽い状態でのテスト)をやって、そのあと、重くして、またミディアムからとか、いろんな(テストの)やり方(プログラム)があったんで、なかなか、リザルト・シート(結果表)通りには実力が出てない(現われてない)というのはあります。

----それは、午後の「FP2」についてですね?
浜島 そうです。・・・「FP1」は、もう、みんな半分(テストは)諦めていたようで(笑)。(路面が悪かった)「FP1」でも、タイヤの温度は80度くらいだったので、"ムービング"といった問題は出ていませんでした。

◆ザウバーに対しての評価は若干の誤解あり?!

----今日の段階では、まだ評価はできないとは思うんですけど、あえて、タイヤから各チームの評価をすると?
浜島 あえて、何も言ってないのに、ザウバーはいいんじゃないかと(浜島が語ったと)「オートスポーツ」に出ていて、(ここに)来た途端に怒られたんですけど(笑)。

----そんなこと、言ってない?
浜島 あの、「悪くはないよ」と言ったことはたしかなんですけど、タイヤにやさしいなんて、言った覚えはありません。

----新しいチームのタイヤの使い方は?
浜島 新しいチームは、イスパニアに関しては(タイムが)「GP2」に迫る勢いですけど(笑)、でもここ(イスパニア)を除けば、けっこう、ロングランでも、1~2秒差の範囲に入っているという感じがしますが。

----今日の走行は、これまでのテストで見られたのと同じような順位と傾向ですか?
浜島 ひとつ言えるのは、バルセロナでは、金曜日のセットアップと日曜日のセットアップで、フェラーリは違ってたらしいから、金曜日(のセット)に戻したら、フェラーリはそこそこ"よさそう"と言ってたみたいです。でも、レースだから、やってみないとわかりませんが。

でも、ロングラン、二回目で、(フェラーリは)自由自在に走ってましたよね。(走行の)ラインもきれいだし、インにもベターッとつけちゃうし。まあ、走りやすいクルマに今年はなっている、というのは事実じゃないでしょうか。

◆タイヤ・サイズ変更の意図とその結果は?
----タイヤのサイズを変更した結果は、思った通りというか、意図した方向になっている?

浜島 サイズの変更は(われわれが)思った通りになってますね。前後の摩耗のバランスが非常に(よく)取れていると思いますし、バルセロナ・テストまでのデータになりますが、前後のバランスは、非常に取れるようになった。

去年までのタイヤでいえば、おしなべて、前はほとんど減らないで、リヤ・タイヤばっかり減ったんですけど、今年の場合は、フロント・タイヤもリヤ・タイヤも(同様に)減るという状況になってます。

ただ、逆に、それだけリヤ・タイヤが減るのが遅くなるんで、ここはそんなにきびしくないけど、たとえばバルセロナとかトルコみたいに、非常に暑くなって、かつ高速なコースだと、リヤ・タイヤがブリスターする可能性も、ないとは言えないですね。

でも、総じて目論み通りになってるといえると思います。決して(タイヤのカタチとしては)いま風の形状ではないんですけど。

ただ、フット・プリント(接地面)の面積なんかは、(去年までと)あんまり変わってないんですね。古いやつ(去年まで)だと、フット・プリントのカタチとしては四角だったんですけど、今年のタイヤは、接地長がその分伸びて、割りとまん丸くなっているということです。

それと、(フロントは)キャンバーを変化させて、(タイヤを)"全体に使う"という方向で(クルマ側から)使ってもらわないといけないので、去年と較べると、(各チームの)フロントのキャンバーは、割りとついてるのではないかと思います。

リヤ・タイヤの形状は、ほとんど変えてないんで、リヤのセットアップは、去年とあまり変わってないです。

----チームにとっては、タイヤの変化は、セットをやりやすくした、それとも?
浜島 まあタイヤの変化よりも、(クルマの)重量がスタート時に150キロ・プラスでという変化の方が大きいという気はしますけどね。今日も、レッドブル、さっそくブレーキ、けっこうきびしくてトラブってましたけど、そういう負担の方が大きいのではないかと思います。

今年は、フロント・タイヤの"あったまり"については、去年よりも圧倒的に早いんですよね。温度でいうと、だいたい15度から20度くらい高いんで、そういった意味では、ドライバーがウォームアップを感ずるのはフロント(タイヤ)なので、冬のテストでも、ウォームアップに関しては不満の声はなかったし、今日もないです。・・・ということで、この斬り口では(タイヤ仕様の変更は)いい方向だったのかなと思います。

----旧ブロウン、メルセデスはやっぱりアンダー傾向?
浜島 そうですね。ただ今日は「FP1」では路面が汚れてたんで、みんな、フロントが"入らない"(曲がらない=アンダーステア)状態で、どっちかというと、全員がアンダー傾向でした。それがだんだん、いま、解消されている状況ですね。

----新チームの、ヴァージンやロータスは?
浜島 ヴァージンは、まだロングランできない。ロータスは、タイヤだけでみれば悪くはないですけど、でも(タイムでいえば)3秒とか遅いでしょ。ですから、それをそのまま(他チームと)比較していいのかというのは、ちょっとむずかしいですね。

【STINGER / text by Iemura Hiroaki】



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