F1に燃え、ゴルフに泣く日々。/山口正己

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2017年4月16日

なにからなにまで"別格"のインディ500

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インディのオーバルは弁当箱型。とにかくデカイ。つまり、とてつもなくスピードが出る。
だからリスキーでスペクタクルなレースになる。


フェルナンド・アロンソの電撃参戦発表で、『インディ500』は一段と注目度を高めている。中国GPの朝食の席上でザック・ブラウンが、「やるぞ」と問いかけられて、「やるぞ」、と松本宜之F1担当役員が即答した、というノリからして、注目企画だ。

そのインディ500、最盛期には40万人の観客を集め、アメリカ人にいわせると世界最大の自動車レースである。インディアナポリス・インターナショナル・スピードウェイで行なわれるのは、世界最速の大スペクタクルというだけでなく、なにから何まで別格なレースだ。

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◆歓声が時速300km/hでコースを巡る!!

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40万人といわれる観客が周囲のスタンドを埋め、レースが佳境に入ると、時速300km/hを超えるハイスピードで展開するバトルを、歓声とウェーブが追いかける。観客は自分の目の前を通過する時に声援を贈るから、結果として声援が超高速バトルとともに周回する。200周レースの残り30周辺りから、インディアナポリス・インターナショナル・スピードウェイは、どんな素晴しい劇場でも経験できない独特の音響装置になるのだ。

今はインディカーと呼ばれるシリーズになっているが、もともとインディと言えばインディ500のことだった。CARTとインディカーが覇権争いになったときも、インディ500の存在がモノを言った。極端な話、インディカーシリーズとは名ばかりで、インディ500だけが1年に1回あるだけで充分、という観方も存在する。とにかく"別格"。

インディアナポリス500マイルレースは、圧倒的なスピードのレースとして、毎年文字通りスペクタクルなドラマを展開して歴史を刻み、去年が記念すべき100回大会。アメリカ人にとっては、F1よりはるかに強烈なシンパシーを持っている。

◆一見新聞紙、実は札束

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インディといえば、賞金だ。優勝賞金は1億円を軽く突破する。去年優勝したアレキサンダー・ロッシ(→)の賞金は、聞いて驚くなよ!!の2,458,743ドル。1ドル110円として、2億7000万円+だった。

1989年にF1のワールドチャンピオンのエマーソン・フィティパルディが優勝して話題になったが、翌日の地元の新聞の一面に写った、マシンと共に記念撮影をするフィティパルディの足元に、新聞の束が腰の高さ辺りまで積み重なっていると思いきや、それは新聞ではなくて札束だった。こんな笑い話のような出来事もインディ500ならではだ。

ちなみに、去年、26位でゴールした佐藤琢磨の賞金は、これまたなんと!!の338,243ドル。日本円にして3700万円以上だったのだが、面白いのは、レースが始まって直ぐにリタイアして最後尾の33位だったファン・パブロ・モントヤの賞金は、339,493ドルと佐藤琢磨より多かった。これは、最初にリタイアしたモントヤに、"最初のリタイア"という特別賞が出たからだ。

なんでも賞金が付く。200周の全ラップにラップ賞、ピッタリ半分の100周目にも特別賞。例えば、8周目には、野菜ジュースの『V8』から賞金が出る、といった按配だ。

賞金の高さは、まさしく"アメリカンドリーム"。インディカーがアメリカで高い人気を誇っているのは、レースがスペクタクルなだけでなく、そのリスクを乗り越えた勇者にドカンと賞金が渡され、アメリカンドリームを目前でみられるからだ。さて、アロンソはいくら稼ぐのだろうか。

◆翌日のパーティ

月曜日の夜に、インディアナポリス市内のホテルで盛大なパーティが行なわれ、2000人を越すゲストであふれ返る。

まずは、10人ほどのテーブルでディナータイム。それが終わると、隣接した会場に用意された表彰式が始まる。その模様は、全米に生放送される。33位から、一人一人ドライバーが呼び出され、紹介と共に賞金額が公表される。

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インディ名物のトロフィー。さて、今年、ここに顔が刻まれるのは、誰?

会場に詰めかけているのは、ドライバーの家族やスポンサー関係者。自分がサポートするドライバーが呼ばれ、全国放映される現場を観て、喜ばないスポンサーはいないだろう。かくて翌年もスポンサーをする、という寸法。合理主義のアメリカらしいが、かゆいところに手が届く心配りのパーティだ。

マクラーレンのCEOであるザック・ブラウンは、今回のアロンソの参戦を推進する張本人だが、彼は、自らオールド・モナコで古いF1を走らせるほどのレース好きだが、その前に、プロモーションの達人として名高い。マクラーレンのパートナー企業は、当初予定になかったインディという大きなプレゼントを与えられたわけで、来年の契約書のサインがしたくなってもおかしくない。

◆世界三大レース

モナコGPと、ル・マン24時間を並べて"世界三大レース"という表現は、いまではなんとなく色あせてしまったが、インディが世界一速い、モナコがF1一遅い、ル・マンが世界一長い、という点でも、他と一線を画しているが、アロンソがインディ参戦のために欠場するモナコとインディ500が、一番遅いレースと一番速いレースというのも、何かの縁を感じさせる。

[STINGER]山口正己
photo by Honda / [STINGER]

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